『告白』と『パリ20区、僕たちのクラス』
最近、『告白』と『パリ20区、僕たちのクラス』を観ました。
どちらも中学校を舞台に、先生と生徒たちがぶつかり合う映画ですが、結構対照的。
『告白』は
- 超フィクション
- 有名俳優と期待の若手達が出演
- バッドエンド(?少なくともハッピーエンドではない)
なのに対して、『パリ20区、僕たちのクラス』は
- ドキュメンタリー的(本当のドキュメンタリーではないが)
- 先生も生徒もプロの俳優ではない(だけどすごい好演!)
- 前向きなラスト
といった感じです。
どちらも、「中学校の先生って大変だなぁ…」とつくづく思わされました。
思春期の子どもたちは、まったくの遠慮もなくきつい攻撃をしてくるかと思えば、内面はすごく繊細で大人の何気ない一言にとても敏感に反応したり…。
また、子どもたちは社会の抱える問題を映し出す鏡のようなもので、先生はそれにリアルタイムに向き合っていかざるをえない。
今の学校のあり方って遅れてるという声もあり、「中学教師」という職業も変わっていくのかもしれないけれど、あの年齢の子どもたちに本気で向き合う大人の存在というのは、これからも何らかの形で必要ですね。
『告白』はエンターテイメントとしては素晴らしい作品。私は原作を読んでなかったので、本気で色々驚かされました! また、教育の意味とか人間のエゴとか生きる権利なんかについてもじっくり考えさせられたので、観て損はないと思います。でもドンヨリしちゃうので、明るいデートをしたい人にはおすすめしない(笑
『パリ20区、僕たちのクラス』は地味ですが、さすがカンヌ映画祭のパルムドールを撮っただけあって、心にしみる良い映画。
主人公の先生を演じるのは原作を書いた元教師、生徒役は中学校で希望者を募り、約7ヶ月のワークショップを経て選ばれた現役の中学生達、ということでみんな演技のプロじゃないのに、不自然さは全く感じられず、引き込まれました。
また、パリのはじっこの移民の多い地区で全体的に成績も良くない学校ということでいろいろと深刻な問題もあってヘビーなんだけど、「頑張って生きよう!」と思わせてくれる爽やかなストーリーでした。
どっちかひとつだけ観るなら、『告白』はそのうちテレビでもやりそうだから、今を逃すとなかなか観る機会の無さそうな『パリ20区、…』をお勧めします。
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